みんなで食事をするという意味の共食は食育の中の1つのスタイルとして位置付けることができます。食育はいくつかの団体・機関が推進していてそれぞれから情報が発信されています。今回は農林水産省が食育の推進のページで発信している情報から共食について考えてみます。
共食の反対「こ食」とは
共食とはみんなで共に食べる意味です。共食や共食のメリットについて考えるために共食の反対側、つまりデメリットを調べてみると「こ食」で、「こ」には7つの漢字を当てられるということをご紹介しました。
基本的に共食は子供に対する食育の中で取り上げれられている言葉なので、子供に関する考え方がありますが、そのような背景があるのだと思って読んでいただければと思います。
紹介します。
孤食
家族と一緒に暮らしていても一人で食事すること。
本来であれば食事中に仲間と料理を分かち合うはずの食事が一人作業になるので、食事を通した社会性を形成しにくいというのが孤独の字を使ったこ食です。
個食
家族や仲間とテーブルを囲んでいても食べている料理が個々に違った料理を食べること。
料理が違うので、テーブルを囲んだ仲間と料理の感想や味の共有ができず、その結果、仲間との連帯感や協調性が育ちにくいということを言っています。
本来であれば、獲得・収穫した食物を、ともに努力した仲間と分かち合い、それを通して社会性を育むという(縄文時代のイメージ)状態であるから、それと比較して個々に食べるのは良くないと指摘されています。
子食
子供だけで食事することを指しています。
子供は好き嫌いが多く、また子供はわがままです。そんな子供だけで食事すると、好き嫌いのままに食べたり食べなかったりします。
それによって、好き嫌いが多く偏食をする人に育ってしまいます。
本来であれば、子供だけでなくそこに親も加わって食事をすることで、好き嫌いが多くわがままな子供に、好き嫌いやわがままなく必要なものを食べさせることを通して好き嫌いを極力減らして栄養バランスの良い食事をさせることができると期待されています。
固食
固定化されたもの、つまり同じものやワンパターンなものばかり食べること。
いわゆる偏食のことですね。
偏食によって食事の選択の幅やバラエティが乏しくなり、栄養バランスが悪くなり、身体に不調が生じる原因になってしまいます。
食育の観点では固食をすることによって食べるものが偏ることによって考え方が偏った自己中心的な人に育ちやすいと言われています。
濃食
味付けの濃い料理ばかりを食べること。
インパクトはあるのでしょうが、しょっぱい、辛い、甘い、こってり、醤油やソースやマヨネーズなどをかけすぎて、塩分や脂肪分の取りすぎになるばかりか、濃い味付けは認識できるものの、大体は濃い味付けよりは弱い食材そのものが持つ味や香りや食感による刺激による感覚が育ちにくくなります。
濃い味付けばかりを食べると濃い味付けが標準になり、濃い味付けでないと味がわからなくなり、濃くない味付けの料理の味を感じるために醤油やマヨネーズなどをかけてみんな濃い味付けの料理になり、塩分や脂質の取りすぎによって、高血圧や高脂血症などの生活習慣病リスクを高めます。
小食
料理を少ししか食べないこと。必要な栄養素が足りないために、子供向けの食育については、元気で丈夫な体が育ちにくくなり、エネルギー等が足りないことで元気がなくなり無気力になったり代謝が落ちたりします。少ししか食べないこと、つまり別記事で書いたように、活動するために必要なエネルギーと栄養素が足りていない食事をすることで身体が本調子でなくなくなるんですね。
粉食
粉から作られた料理ばかり食べること。
粉とは例えば小麦粉で、麺類やパン、パスタなどのような料理ばかり食べていると、1つの観点としては柔らかい料理になりがちなので、噛む力が弱くなって顎の力が発達しなかったり(噛むと頭が回るようになるといいますので、噛む力が弱いということはあまり噛まないということで、頭が回りにくいとも言えるかもしれませんね)、スルスルと身体に入っていくためについ食べ過ぎてしまったりということになります(粉食って見渡してみると意外と多くて、つい手軽にできる料理というものを見てみると意外と粉食だったりします)
大人の私たちも「こ食」を避けたい
ここまでこ食として、孤食、個食、子食、固食、濃食、小食、粉食と7つの当て字のこ食を紹介してきました。
子供向けの食育の中での考え方ではありますが、
こ食をすると、
- 社会性を形成しにくく、コミュニケーションがしにくくなる
- 仲間との連帯感や協調性
- わがまま
- 偏食
- 栄養バランスが良くない食事
- 自己中心的
- 生活習慣病リスク
- 頭が働かない
- 元気がなく、動くのが億劫になる
このようなこ食によるデメリットが身体に発生することがわかりました。
子供向けと思いながらもよく読んでみると、大人になった私たちでも同じ問題や悩みが思い当たりますよね。
大人も子供と同じようにこ食を避けることが大事だと考えています。
共食のことを記載するつもりで、共食の反対となるこ食について記載してきました。
次はこ食の反対、教職について同じように農林水産省や文部科学省、厚生労働省の記事を参考にしながら記述したいと思います。
ただ、ここまで長くなりましたので、それはまた別の記事で、記述していきます。
2019.06.16