先日の記事では共食の反対の位置付けとして「こ食」を取り上げました。「こ食」の「こ」に7つの当て字をしてそれぞれの説明と特徴、つまりこ食のデメリットを記述しました。
本記事では先日の続きとして、こ食の反対、つまり共食と共食のメリットを、前回と同じように農林水産省の食育のページを元にして説明します。
共食のメリット 食育に関する意識調査結果
農林水産省が行なっている食育に関する意識調査で、共食のメリットが示されています。
農林水産省 食育に関する意識調査結果報告書(平成30年3月)
もっとも多く良いと回答されている点から
- コミュニケーションを図ることができる
- 楽しく食べることができる
- 規則正しい時間に食べることができる
- 栄養バランスの良い食事を食べることができる
- 安全・安心な食事を食べることができる
- 食事の作法を身につけることができる
- 自然や食事を作ってくれた人に対する感謝の念を育むことができる
- 調理や配膳、買い物など、食事づくりに参加することができる
- ゆっくりよく噛んで食べることができる
- 食文化を伝えることができるその他
と続いています。
コミュニケーションを図ることができる
家族や友人、仕事仲間と一緒に食事、共食していると、いつも以上に美味しく感じられたということはありませんか。
共食をするといつも以上に会話が弾んだ経験がありませんか。
ご飯を食べると楽しい気持ち、幸せを感じたりリラックスしたりします。
そのような楽しい気持ちで食事をすることで、自然と会話が多くなり、活発に会話が交わされることで絆を深めることができます。
給食計画を利用されているお客様からの声も共食のメリットとしての声が届いています。
一緒に食事するみんなのことがよくわかり、仕事の意思疎通がスムーズになって仕事が早くなった。
仕事以外の話も自然に出てくる時間を持てて、心に余裕が持てた。
まさに共食のメリットのその1とでもいうべき「コミュニケーションを図ることができる」の証明です。
その他の感想はこちらのページをご覧ください。
ゆっくりよく噛んで食べることができる
実際に共食してみると、この意味は、共食をすると噛む回数が増えるというわけではありません。
共食だと自然発生的に会話が生まれます。会話をしながらご飯を食べます。
普段(共食をしない時)、食事中の私たちの口は食べ物を入れる穴です。共食をしないと、口は本来の動き以外の用途として動きません。食事の間中はずっと口の中に食べ物を運び、口は食べ物を中に取り込むことで一生懸命になります。次から次へと。
一方、共食をすると、口には食べ物を入れる以外の働きが生まれます。それは声を発することです。口は声を発しなければならないということは、ずっと口の中に物が入っていてはそれができないということです。口に物を入れるのと口から声を出すことを一緒にやっていると食べるペースが落ちます。
少量でもお腹いっぱい
共食のメリットとして「ゆっくりよく噛んで食べることができる」という点について給食計画のお客様からはこのような声をいただいています。
みんなといろいろなことをお話ししながら食べたら、食べ終わるまでに30分かかったのですが、(食事の量はいつもに比べて少量だったのにもかかわらず)お腹は満たされましたし、満足感があります。これが共食の効果かと実感しました。
共食は食べ過ぎ防止にも役立つということですね。
私達の身体には満腹中枢なる機関があってそれが私たちに「おなかいっぱい」と感じさせる働きをするそうです。
先ほどのお客様の声で、少量でもお腹いっぱいになったというのはこの満腹中枢がお腹いっぱいだと判断したからなのでしょう。
私たちはお腹がいっぱいになるまで食べます。足りなければもっと食べたいという欲求が出ます。
その働きのせいで私たちはダイエットや体型維持に苦しむのですが・・・(笑)
ここで、もし少量でもお腹いっぱいとかんじるようになったとしたら・・・。ダイエットの苦しみから解放されますよね。
そのためには満腹中枢の動きを知る必要があります。
満腹中枢がお腹いっぱいと感じるまで、つまり満腹中枢のスイッチがオンになるのは食べ始めてから20分経過してからなのだそうです。
一人で食べると、先ほども言ったように、口は物を入れることが主な働きになりますので、どんどんと口の中にお料理を運びます。お腹が空いていたりすると一瞬とばかりにお皿が空になります。
満腹中枢のスイッチがオンになるまで20分かかるとしても、1人で食べる食事だと20分もかかりません。満腹中枢がオンになる前にお料理を食べ終わってしまうのです。だから、満腹になりたい私たちの身体が「もっと食べたい!」「今回の量だとお腹いっぱいにならないから次はもっと食べるぞ!」と決めるのです。
それに対して、共食でお料理を食べると口が食べ物を取り込むだけでなく、声を出すという働きも行い始めます。
非常に単純に考えて、食べることと声を出すことを交互にすると一定時間当たりの食べる回数が半分になるので、料理を食べ終わるまで2倍かかることになります。普段10分で食事が終わっていたとしたら共食すると20分かかります。満腹中枢のスイッチがオンになりますね。
共食のデメリットー調整が面倒
農林水産省の「食育に関する意識調査」の結果をもとにここまで共食のメリットを給食計画での実例を交えて説明してきました。
共食にはこのようなメリットがあることがわかりました。
- コミュニケーションを図ることができる
- 食べすぎを防止することができる
- 我慢が不要のダイエットとしても効果的
コミュニケーションを図ることができるというメリットについては家族はもちろんのこと、個人で働くことが多くなってきて社員同士のコミュニケーションが減ってきたな、従業員同士のコミュニケーションを活性化させる何かいい方法はないかなと探している法人、総務部や人事部の担当の方にもいいのではないでしょうか。
食べ過ぎを防止できることや我慢不要のダイエットなどは、健康診断の結果などを見て生活習慣病が気になってきた方や健康的にステキな体系を目材している素敵な女性にも給食計画はオススメです。
ただ、共食をしようとするといくつか問題が考えられます。一番大きなものは、調整が面倒だということです。
共食ですから何人かで食事をするわけですが、
- みなさんのスケジュールの調整
- みんなで入れるお店の調整
- 全員で同じテーブルを囲むための調整
- お料理の調整
- 好き嫌いやアレルギーや栄養バランスの調整
ご自分でこれらの調整をすることを想像してみてください。
会社で幹事になってこれらの調整をすることを想像してみてください。
給食計画は共食をコーディネートします
よろしければこちらの記事もご覧ください。
2019.06.18