新型コロナウイルス感染予防のために在宅勤務・テレワーク・リモートワークをする方が多くなりました。
リモートワークをする上で、コミュニケーションがうまくいかない、コミュニケーションにストレスを感じる、ということはありませんか?
リモートワーク で使われているコミュニケーションツール
リモートワーク のコミュニケーションツールは何をお使いですか?
メール、電話、SlackやiMessage(最近は「Apple Messages」というらしい)、WeChatなどのチャット、ZOOM、Teamsなどのテレビ会議システムなど様々なツールがあるかと思います。
様々なツールを駆使して、どうにか相手に意思が伝わるように工夫したり言葉を尽くしているのにどうしても相手に伝わらない。そのような苦労やストレスを感じたりしたことはありませんか?
その原因はコミュニケーションにおいて言語情報が相手に伝わる割合が低いことにあるようです。
コミュニケーションにおける言語情報の割合
私たちは離れた相手に伝えようと一生懸命メールを書くのに力を注いだり、共通言語はロジカルだ!と考えて論理的な文章を書いたりしています。リモートワーク になったら文字で伝えることが必要になり、コツを伝える書籍や論理的文章力が身につくと銘打ったトレーニングが多く登場しており、頑張っている方も多いようです。
しかしながら、非言語コミュニケーションの研究者であるレイ・L・バードウィステル氏によると、「対話において、言葉で伝わる意味は30〜35%程度」なのだそうです。
相手に自分の考えを伝えようとするときに相手に与える情報全てを100%としたとき、言葉で伝わる言語情報は35%で、残りの65%は非言語による非言語コミュニケーションです。
現在リモートワークで使われているコミュニケーションツールはその多くが言語情報を伝えることが主になっています。
これらのツールで伝えるのは言語情報で、それは先ほどご紹介した通り、どう頑張っても相手に伝わるコミュニケーション情報のうちのどう頑張っても35%程度なのですから、仕事などで自分の考えが相手に伝わらない、相手から想定通りの反応が得られないという状況になっても当然です。
ところで、コミュニケーションで相手に伝わっている情報のうち、残りの65%を占めている非言語情報としてどのようなものがあるのでしょうか。
非言語コミュニケーションの内訳と非言語情報を伝えるツール
非言語コミュニケーションの内訳については1987年の書籍の中でマジョリー・F・ヴァーガス氏が「非言語コミュニケーション」で以下の9つを挙げています。
- 人体
- 動作
- 目
- 周辺言語
- 沈黙
- 身体接触
- 対人空間
- 時間
- 色彩
確かに、非言語情報の内訳を見ると現在リモートワークのために使っているツールでは相手に伝えにくい情報ばかりですね。言い換えると、リモートワークでは相手に伝わるべき情報がほとんど伝えられていない状態でコミュニケーションをしているのですね。それでは「相手とコミュニケーションがスムーズにできない」「リモートワークは生産性が低い」と言われるわけです。
今回ご紹介した情報は共に20世紀の情報です。これらの時代ではIT(当時は通信機器)が十分に普及していない状態でした。その時代で指摘されたコミュニケーションの分類と問題が、ITとネットが十分に普及している現在においても依然としてあるというのは、なんというか複雑な気分です。
現在のテクノロジーとコミュニケーションツールではこれらの非言語情報を十分に伝えることはできていません。非言語情報は今後 AR(Argmented Reality:拡張現実)や(MR(Mixed Reality:複合現実)やVR (Virtual Reality:仮想現実)のテクノロジーによって伝えることができるのではと期待されています。
しかし、現時点ではそれらのテクノロジーが非言語情報の伝達を含めて、どの程度のコミュニケーションツールとして成り立つのか、そしてそれらがいつ登場するのかはわかりません。また、近い将来にそれらが登場したとしてもすぐに相手とのコミュニケーションがそれに置き換わるわけではありません(普及する、つまり自分だけでなく相手方も同等の環境がないとコミュニケーションできないでしょうから)。
それまでの間は、20世紀から続いている対面コミュニケーションが最も情報が伝わるコミュニケーション手段であることでしょう。
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